【シミュレーション】資産運用中の大暴落。もし明日、リーマンショックが訪れたらどうする?

投資についての考え方

資産運用で最も重要な局面、それは何年かに一度必ず訪れる相場の大暴落です。

普段は上がったり下がったりしながらコツコツと増やしていった資産も、暴落の荒波に巻き込まれるとたちまち資産は減少し、見る見るうちに損失が膨らんでいきます。

2001年頃のITバブル崩壊や、2008年のリーマンショックを経験された方ならばわかると思いますが、暴落に直面すると自分も相場もパニック状態で、冷静な判断ができなくなってしまいます。また、テレビやネットでは悲観的なニュースばかりが流れ、資産運用を続けるモチベーションをガンガン奪っていきます。

私も、リーマンショックの時にはそれまでの儲けが一瞬で消し飛び、多額の含み損に耐え切れず大きな損切りをしています。その時は落ち込みながらも、相場にこれ以上苦しめられずに済むかと思うと、どこかほっとした気持ちになったことを覚えています。

しかし本当に資産を増やすためには、実は暴落時こそチャンスなのです。

どんな投資でも『安い時に買い、高い時に売る』ことが利益をあげるための最善の方法です。だとすれば、暴落時は『最高の買い時』といえます。

この記事は、いつか相場が急変した際、私自身が冷静に対応できるようにするための運用指針として書きました。

ちょっと長いですが、皆さんにもきっと参考になる部分はあると思いますので、お付き合いいただけたらと思います。

スポンサーリンク

過去の大暴落ってどんな感じ?

まずはこれまでの歴史的な株価の大暴落を調べました。どれも有名なものばかりですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

それぞれの暴落時の『アメリカ株価(S&P)』と『日経平均』を、暴落前の高値】【暴落後の安値】【下落率】【暴落前の高値に回復するまで要した日数の4項目について示しています。

※結果を早く知りたい方はこちら

株価暴落の歴史

ウォール街大暴落(1929年)

S&P500
【暴落前の高値】 : 31.71
【暴落後の安値】 : 4.43
【下落率】    : 86%
【株価回復まで】 : 25年

日経平均
(データなし)

オイルショック(1973年)

S&P500
【暴落前の高値】 : 119.79
【暴落後の安値】 : 62.52
【下落率】    : 48%
【株価回復まで】 : 7年7カ月

日経平均
【暴落前の高値】 : 5359.74
【暴落後の安値】 : 4374.77
【下落率】    : 18%
【株価回復まで】 : 4年6カ月

ブラックマンデー(1987年10月19日)

S&P500
【暴落前の高値】 : 254.24
【暴落後の安値】 : 216.46
【下落率】    : 15%
【株価回復まで】 : 1年8カ月

日経平均
【暴落前の高値】 : 26646.43
【暴落後の安値】 : 21036.76
【下落率】    : 21%
【株価回復まで】 : 6カ月

日本バブル崩壊(1991年)

S&P500
(影響なし)

日経平均
【暴落前の高値】 : 38916
【暴落後の安値】 : 16216.11
【下落率】    : 58%
【株価回復まで】 : いまだ回復せず

ITバブル崩壊(2001年)

S&P500
【暴落前の高値】 : 1530.09
【暴落後の安値】 : 800.2
【下落率】    : 48%
【株価回復まで】 : 6年10カ月

日経平均
【暴落前の高値】 : 20833.21
【暴落後の安値】 : 7603.76
【下落率】    : 64%
【株価回復まで】 : 17年4カ月

ライブドアショック(2006年1月16日)

S&P500
(影響なし)

日経平均
【暴落前の高値】 : 17375
【暴落後の安値】 : 14045
【下落率】    : 19%
【株価回復まで】 : 6カ月

リーマンショック(2007-2008年)

S&P500
【暴落前の高値】 : 1579.06
【暴落後の安値】 : 734.52
【下落率】    : 53%
【株価回復まで】 : 5年7カ月

日経平均
【暴落前の高値】 : 18297
【暴落後の安値】 : 6994.9
【下落率】    : 62%
【株価回復まで】 : 7年7カ月

ギリシャショック(2010年)

S&P500
【暴落前の高値】 : 1219.8
【暴落後の安値】 : 869.32
【下落率】    : 29%
【株価回復まで】 : 7カ月

日経平均
【暴落前の高値】 : 10891.6
【暴落後の安値】 : 8227.63
【下落率】    : 24%
【株価回復まで】 : 1年11カ月

チャイナショック(2016年2月10日)

S&P500
【暴落前の高値】 : 2116.48
【暴落後の安値】 : 1810.1
【下落率】    : 14%
【株価回復まで】 : 7カ月

日経平均
【暴落前の高値】 : 20012.4
【暴落後の安値】 : 14865.77
【下落率】    : 26%
【株価回復まで】 : 1年3カ月

過去の大暴落一覧(下落率と回復までの日数)

過去に起きた大暴落の発生年、S&Pと日経平均の下落率と回復までの日数を表にまとめました。

こうしてみると1929年のウォール街大暴落は、下落率86%、株価の回復までに25年と、歴史上類を見ない異常な大暴落だったことがわかります。

日本ではやはり1991年のバブル崩壊が異彩を放っています。何しろ、25年以上たった今でも当時の株価38,000円は遥か彼方で、回復するのかさえ怪しい状態です。また、日本発の暴落(バブル崩壊、ライブドアショック)は日本では影響が大きいですが、アメリカには全く影響していないことがわかります。逆にアメリカやEU、中国発の暴落の際にはアメリカと同等かそれ以上に影響を受けています。

また過去のデータからは、下落率が30%以内の場合、ほとんどが1年以内に株価を回復していることもわかります。特に2000年以降のアメリカの回復の早さはすごいですね。

今回調べた過去100年では、最も影響の大きな大暴落は『ウォール街大暴落』『オイルショック』『ITバブル崩壊』『リーマンショック』の4つといえそうです。

このうちウォール街大暴落はあまりにも昔のことなので直接参考にはしづらいため、やはり近年で最も大きな下落を記録した『リーマンショック』のデータを参考に、暴落時の状況をシミュレートしてみたいと思います。

暴落時のシミュレーション

それではいよいよ『明日、リーマンショックが起きたらどうなるか』をシミュレートしてみます。

※結果を早く知りたい方はこちら

※それぞれの運用方法の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
投資信託の運用設定はこちら
ウェルスナビの運用設定はこちら
トライオートETFの運用設定はこちら
両建てトラリピの運用設定はこちら
株価指数CFDの運用設定はこちら

まずは、現時点での私の資産です。

2018年9月時点での運用商品別資産

それぞれの運用商品が仮想リーマンショックでどのようになるのかを検証していきます。

各運用商品の仮想リーマンショック時の状況

投資信託

2018年8月末時点での投資信託の資産クラス別の残高です。

投資信託は『ひふみプラス』以外はいずれもインデックスファンドで運用していますので、リーマンショック時の数字をそのまま当てはめることができます。

『ニッセイ外国株式インデックスファンド』はMSCI-コクサイに連動するインデックスファンドで、米国株約65%、日本を除く先進国株35%で構成されています。ただ、このインデックスはリーマンショック当時にはまだ存在せずデータがないため、ざっくりと米国株式100%として計算します。また、新興国株式の『EXE-i新興国株式ファンド』は運用金額が少ないので、計算を単純にするためこちらも米国株式として計算することとします。

唯一のアクティブファンド『ひふみプラス』は、小型株を中心に運用していることからより影響を強く受けると考え、日経平均-5%の下落率に設定します。

債券やREITについては全体に占める金額が少なく、さらに現在は積み立てを行っていないので、今回は計算から除外します。

これらの条件で計算した結果が次の表です。

2018年8月末時点で143万円だった評価額は約55%減の64万円まで減少しています。

また回復まで必要な日数は米国株式が約6年、日本株式が7年半くらいなので、6~7年はかかる計算になります。

投資信託のシミュレート結果
    1,430,000円 ⇒ 640,000円(55%減)
    回復まで6~7年

ウェルスナビ

ウェルスナビではHP上で1992年からのバックデータを公開していますので、今回はそちらを利用させていただきました。

グラフからはおよそ1500万円から750万円へと約50%下落しています。また、概算ですが積み立て金額を含めて元の水準まで戻ったのが2013年後半ですので、回復までおよそ6年ほどかかっています。

ウェルスナビのシミュレート結果
    260000円 ⇒ 130000円(50%減)
    回復まで約6年

トライオートETF

トライオートETFで現在運用しているプログラムは『ナスダックトリプル100_スリーカード』『ナスダックトリプル100_ライジング』の2つです。

こちらについてはナスダック指数の3倍の値動きに対し、さらにレバレッジをかけて運用しているため、リーマンショック級の下落では計算するまでもなく、文句なしにロスカットされます。
実際には少しは手元に残るとは思いますが、計算も面倒なので残金は0円としました。

トライオートETFのシミュレート結果
    100,000円 ⇒ 0円(100%減)

トライオートFX

こちらはリーマンショック当時の豪ドル円の月次チャートです。

このように、豪ドル円は104.49円をピークに最安値で55.05円まで、実に47.3%の下落幅となっています。

これを現在に当てはめると、2018年8月末の豪ドル円相場が約80円なので、42.2円まで下落する計算となります。現在の設定で42.2円まで下落した場合の含み損は511万円。さらに必要証拠金が30万円程度となり、合わせて540万円が必要となります。

現状、100万円程度の証拠金で運用しているため、追加資金なしではこちらも文句なくロスカットされる計算ですね。耐えるためには約450万円の追加が必要です。

追加資金を投入して何とかロスカットを耐えたとすると、元の水準まで戻すのに約5年かかっています。

トライオートFXのシミュレート結果
    1,100,000円 ⇒ 0円(100%減)
    回復まで約5年(資金の追加を行った場合)

株価指数CFD

株価指数CFDではイギリス株式に連動するFTSE100を購入していますので、FTSE100のリーマンショック当時の値動きを参考にします。

FTSE100は2007年11月の6723.7を最高値に、2009年3月の3460.7まで約51.5%下落しました。
また、株価が回復するまでには5年を要しています。

これを現在の株価に当てはめると、2018年8月末のFTSE100指数が7,650なので、約3,940まで下落する計算となります。そこまで下落した場合の含み損は約38万円となります。証拠金20万円での運用なので、やはりこちらもあえなくロスカットとなります。

ロスカットされないためには約20万円を追加し、現在の倍の証拠金で運用する必要がありますね。

個人向け国債

こちらに関しては無リスク資産ですので、プラスもマイナスもありません。マイナスばかりの商品の中でありがたい存在ですね。

個人向け国債のシミュレート結果
    5,000,000円 ⇒ 5,000,000円(±0%)

全運用商品のシミュレーション結果

それぞれの運用商品の暴落前・後の評価額と、下落率・回復するまでの期間を表にまとめました。

レバレッジ商品のトライオートFX・トライオートETF・株価指数CFDは見事にロスカットとなりました。株式を中心に運用している投資信託やウェルスナビもそれぞれ50%超の下落率となっています。

そんな中で安全資金の個人向け国債は当然ですが下落率0%となり、そのおかげで全体の下落率は30%以内に収まっています。

株式中心に運用している投資信託は大きな下落率となるのは当然ですが、意外だったのは、株式以外にも分散投資を行っているウェルスナビも同じような下落率となっています。
これはウェルスナビがドル建てで運用しているので、株価の変動だけでなくドル円下落の影響も受けるためだと思われます。

(投資信託の外国株式についてもドル円相場の影響を受けるはずなのですが、NYダウの円換算チャートでは、高値14,028円から安値6,717円で下落率52%とドル建ての下落率とほぼ同じ結果だったので、そのままの数字で計算をしました。)

回復までの期間も投資信託とほぼ同じ6年程度となっていて、リーマンショック級の暴落に巻き込まれるといくら分散投資しているといっても影響は強く受けてしまいますね。

暴落時にはどうする?どう備える?

リーマンショック級の暴落に直面した場合、いまの運用方法では次のような状況になることがわかりました。

レバレッジ商品はいずれもロスカットされる

投資信託・ウェルスナビは50%超下落し、回復まで6~7年かかる

個人向け国債は無事に残る

では、実際に暴落が起きた際に、どのような対応を取るべきかを考えてみます。

ここでポイントとなるのは、『FXをはじめとしたレバレッジ商品をロスカットさせるか否か』です。

ロスカットさせない場合

ロスカットさせないためには、FXだけでも450万円ほどの追加資金が必要でした。この資金を捻出するためには個人向け国債のほとんどを回す必要があります。

ただ、この方法には2つの問題があります。

1つは、『70円以下では売買の設定がないため、70円台まで回復するまではただ耐える必要がある』ことです。シミュレートで想定した40円台から70円台に回復するのにどのくらいかかるかはわかりませんが、場合によっては(スワップは貯まるものの)数年単位で500万円以上の資金が塩漬けになってしまうことになります。

2つめは、『安値付近のポジション・レバレッジともに高い状態で耐えられるのか?』という問題です。シミュレートではどこが安値かわかるので必要な資金がわかりますが、実際にはどこまで落ちるのかは誰にもわかりません。暴落時は様々な媒体で悲観的なニュースがガンガン流れるので、資産のほとんどをレバレッジ商品につぎ込むのは相当の勇気と確信がないとできません。

実際のリーマンショック時の為替相場では、短期間の間に一気に下落したわけではなく、一度底を打ったように見せかけて再度大きく下落しています。この動き一つ見ても、暴落時の底を見極めることはきわめて難しく、素人の自分にはとてもできないと思われます。

リーマンショック当時の豪ドル円相場(週足)

あきらめてロスカットされる場合

資金の追加は行わずにロスカットされる場合、トライオートFX、トライオートETF、株価指数CFDはいずれも損失が確定します。また、投資信託やウェルスナビは評価額が半減しますがこれは言い換えれば『購入価格が安くなっている』ことでもあります。

そこで、レバレッジ商品の損失をあきらめる代わりに個人向け国債を切り崩し、投資信託やウェルスナビの積み立て金額を増加すれば、数年後に相場が回復したときに大きな利益となって帰ってきてくれます。

いわゆる『ポートフォリオのリバランス』ですね。

運用方法の見直し。リバランスのルールは?

あまり細かいルールだと継続できないので、ある程度ざっくりとしたルールにしたいと思います。

歴史的な暴落でも下落率15%程度のものもあるので、下落率10%くらいでルールを発動させるようににします。下落率10%というと、ちょうど今年(2018年)2月の急落くらいですね。

アメリカの株価(NYダウ)が直近高値から10%下落したら投資信託(米国株式)の積み立て金額を1万円/月ずつ増額。

増額は前回高値を回復するまで続ける。

積み立て金額の増額は10%ごとに1万円ずつ増額する。(例:30%下落で3万円増額)

現在、このルールを適用して運用を行っています。
こちらの記事で、運用全体の流れを紹介していますので、ご覧ください。

【2018年11月更新】資産運用フロー図
...

おわりに

いかがだったでしょうか?

今回のシミュレートを行うまでは、相場が急変したらレバレッジ商品の証拠金を増やしてロスカットを防ごうと考えていたのですが、終わってみれば全く違う考えに変わりました

記事の中でも触れましたが、相場が急変したときには様々な悲観的なニュースが飛び交い、冷静な判断を下すことは難しいです。それに惑わされないためには、あらかじめそれぞれの対応方法を決めておくことで、『理論的に正しい方法』を取ることができるようになります。スポーツで練習を繰り返し、フォームを固めるイメージでしょうか。

今回の結果は私の運用方法資金、なにより致命的に裁量トレードが下手、という条件で考えています。

シミュレーションの方法や結果は人それぞれ違うと思います。長期運用を考えている方は是非一度、こういったシミュレーションを試してみてください。私と同じように、新しい発見があるかもしれませんよ。

コメント