繰り上げ返済よりも資産運用が正解? 低金利と住宅ローン控除を最大限に活かす方法

投資についての考え方

もった家は2016年11月に自宅を新築しました。
住宅ローンは35年間。なんともったが75歳になるまで支払うことになります。
もちろん75歳まで払い続けるつもりはなく、繰り上げ返済を行い定年前には支払い終える予定です。

一般的には、できる限り早いうちに繰り上げ返済を行うことが支払総額を抑える方法なのですが、これに資産運用の要素が絡んでくるとそうとも限らないのです。

そこで、それぞれのメリットとデメリットを踏まえ、最も効果的な住宅ローンの支払い方法について考えてみました。

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繰り上げ返済のメリットとデメリット

本題に入る前に、住宅ローンの繰り上げ返済のメリットとデメリットについてまとめておきます。

繰り上げ返済のメリット

1.支払総額を減らすことが出来る
2.返済期間の短縮、または返済額を抑えることが出来る
3.将来の金利上昇に備えることが出来る

繰り上げ返済の最大のメリットは『支払う金額を抑えられる』ことでしょう。住宅ローンも『借金』であることには変わりないので、支払う金額は少ないに越したことはありません。
また現在日本は超低金利で、これ以上は下がりようがない状態です。10年、20年後は今よりも金利が上がっている可能性が高いため、上がる前に返すことで金利上昇のリスクに備えることが出来ます。

このように、繰り上げ返済には大きなメリットがあります。それでは、デメリットはないのでしょうか?

 

繰り上げ返済のデメリット

1.手元の現金が少なくなる
2.インフレリスクに弱い
3.団信(団体信用生命保険)の恩恵が減る
4.住宅ローン控除額が減る
5.家を売却したとき、戻ってくる税金が減る

デメリットも意外と多いです。

特に手元の現金については大きな問題です。何かあったときに備えがないのは不安ですし、車の購入など大きな出費の時に別の高金利のローンを組んだりしたら本末転倒です(そんなことはしませんが・・・)

現在日本はデフレが続いていますが、政府は様々な政策で物価を上げようとしています。物価が上がれば(理屈上は)給料も上がるはずなので、1万円の価値も相対的には下がります。しかし借入金額は変わらないので、実質値下がりしたのと同じこととなり、繰り上げ返済で支払ってしまうのは損になります。
ただその場合は金利も上昇するので、一概にはデメリットとは言えない部分もあります。

団信もローン残高が大きければ生命保険に掛ける金額を節約することが出来ますし、住宅ローン控除については直接支払総額に関わってきます(こちらは後でシミュレートします)。

また売却時の税金についてですが、何らかの理由で家を売却しなければならなくなった場合、「売却金額」<「ローン残高」の時に限り譲渡所得の特別控除により、税金が戻ってくる制度があるそうです。

このように、住宅ローンの繰り上げ返済にはいくつかのメリットとデメリットがあります。
これらを踏まえて、次項では住宅ローンを普通に支払った場合と繰り上げ返済を行った場合についての比較を行います。

 

繰り上げ返済のシミュレート

もった家の住宅ローン借り入れ条件です。
金利は変動なのですが、今回のシミュレートでは全期間0.7%で計算を行います。シミュレートは様々な計算を行うことのできるサイト”ke!san”を利用しました。

ローン借入の条件

借入日    : 2016年11月
借入時の年齢 : 40歳
借入金額   : 2,300万円
返済期間   : 35年
金利     : 変動、0.7%
返済方式   : 元利均等方式
繰り上げ返済 : 期間短縮型

 

通常の場合

まず、下記の2パターンについてシミュレートします。

パターン①
繰り上げ返済なし
パターン②
2年目の1月に500万円、3年目以降の1月にそれぞれ100万円ずつ繰り上げ返済を行う

その結果が次の表になります。

約220万円の節約となっています。すばらしい結果ですね。
今すぐにでも繰り上げ返済を始めたくなるのですが、この結果は住宅ローン控除を考慮していません。
そこで、次の項では住宅ローン控除を加味した場合のシミュレートを行います。

 

住宅ローン控除(住宅ローン減税)を加味した場合

住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは、住宅ローンを借りた当初の10年間、年末残高の1%が減税される制度です。ローン残高が多いほうがより多くの控除を受けることが出来ます。

先ほどと同じ条件で、住宅ローン控除による減税を加味した結果が下の表になります。

だいぶ近づいてきましたが、やはりまだ繰り上げ返済のほうが150万円以上支払いが少なくなっています。しかし、受けられる住宅ローン控除を比較すると、繰り上げ返済なしのほうが60万円以上多く受け取ることが出来ます。
次は住宅ローン控除を最大に活かすために、最初の10年間は何もせず、10年後から繰り上げ返済を行うパターンを加えて比較します。

 

10年後から繰り上げ返済を行う場合

上記のパターン①とパターン②に加え、パターン③も比較します。

パターン③
11年目の1月に1,400万円、12年目以降の1月にそれぞれ100万円ずつ繰り上げ返済を行う

6万円程度の差ですが、パターン③の10年後に繰り上げ返済を行うパターンがもっとも支払総額の少ない結果となりました。

 

繰り上げ返済方法についての結論

もった家の借り入れ条件では、『住宅ローンの繰り上げ返済は当面は行わず、住宅ローン控除が終わる10年後にまとめて支払う』のが最も良い方法といえます。
借り入れ金利や住宅ローン控除の残り期間によっては、先に支払ってしまったほうがお得な場合もあるかと思いますので、注意してください。

 

資産運用の効果

前の項では繰り上げ返済を行った場合と行わなかった場合での比較を行い、繰り上げ返済するのであれば住宅ローン控除期間終了後にまとめて返済するのが一番よい結果となりました。

それではいよいよ、繰り上げ返済資金を運用した場合としなかった場合についての比較を行います。

運用した場合

繰り上げ返済なし(ローン支払いは2051年まで)
当初金額500万円、毎年100万円ずつ増資しながら運用する

運用しない場合

11年目の1月に1,400万円、12年目以降の1月にそれぞれ100万円ずつ繰り上げ返済を行う。(ローン支払いは2028年まで)
2029~2051までは毎年100万ずつ増資しながら運用する

この条件で、住宅ローン支払い終了時の2051年での資産状況を、運用利回り別にシミュレートしていきます。

 

利回り1%(税抜き)で運用した場合

『住宅ローンの支払総額(A)』から『運用による利益(B)』を引いた、『実質支払額(C)』で比較します。

なんと、利回り1%でも400万円以上の差で『繰り上げ返済なし』のほうが実質支払額は少ない結果となりました。

 

利回り3%(税抜き)で運用した場合

利回り3%で運用した場合、『繰り上げ返済なし』では実質支払額がマイナス、つまり借り入れ額以上の利益をあげてしまいました。
また、『繰り上げ返済あり』との差はさらに広がって、2,300万円以上の差になっています。

 

利回り5%(税抜き)で運用した場合

ここまでくるとちょっと夢みたいな数字ですが、利回り5%では運用利益が8,000万円以上となっています。老後資金も十分以上に賄えますね。

 

まとめ。結局、繰り上げ返済と資産運用どちらが得なのか?

以上の結果より、このような結論に至りました。

・借り入れ金利以上の運用ができるのであれば、繰り上げ返済はしないほうがよい

・運用する/しないにかかわらず、住宅ローン控除期間は繰り上げ返済はしないほうがよい

・家族構成にもよるが、ローン残高次第で団信による生命保険料の削減が可能。恩恵を受けたいのであれば繰り上げ返済はしないほうがよい

当たり前といえば当たり前ですね。
ポイントは、『借り入れ金利以上の運用ができるか』です。
金利が上昇すると株価は下がるのがセオリーで、そうなると運用はそうとう苦しくなることが予想できます。
やはり金利動向を見つつ、金利が上昇したらすぐに繰り上げ返済できるように準備しておくことが大事ですね。

それにしても2051年とか75歳とか、記事を書きながらもまったくピンと来ていません。
それまで資産運用を続けていられるか、が一番のポイントでしょうね。

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