FXの自動売買で根強い人気を誇るトラリピ。
トラリピとは『トラップ・リピート・イフダン』の略で、マネースクエア社が提供する自動発注システム。
狙った値幅の間で何度も新規注文と決済注文を繰り返すことにより、長期的にコツコツと利益を積み重ねていきます。
通常の相場の上がる下がるを予想するのではなく相場が動く範囲を予想し、一度設定すればあとは自動で売買してくれることから、日中相場を見ることのできないサラリーマンにもおすすめのトレード方法です。
とても優れたシステムゆえに以前は手数料が高めなのがネックだったのですが、なんと手数料が無料となり大幅にコストダウン(=利益アップ)。ますます使いやすくなっています!
トラリピはコツコツと長期的に増やしていくのが基本ですが、なるべくリスクを抑えながらもっと利益を増やす方法があります。
それが『両建てトラリピ』です。
この記事ではトラリピの利益をおよそ2倍に増やすことができる『両建てトラリピ』について、メリット・デメリットやその運用方法をご紹介いたします。
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両建てのトラリピとは?
そもそも両建てとはなにか?
両建てとは書いて字のごとく『同じ通貨ペアに対して買いと売りの両方でポジションを建てるトレード』のことです。
両方のポジションを持つことで、相場が上がっても下がっても損失は拡大しない(利益も拡大しない)ことになります。
ただ、同数の買いポジションと売りポジションを保有しているだけだと買いと売りのスワップ差によって少しずつ資産が減ってしまうため意味のないトレードとなってしまうため、一般的にはあまり良いトレード方法とはされていません。
トラリピで両建てをするとどうなる?
しかしこの両建て、トラリピでは一転して威力を発揮します。
両建ては買いと売りの両方のトレードを行うので、それぞれ分けて解説します。
例として、以下のような条件でのトレードを想定します。
通貨ペア : ドル円、1,000通貨
スタート : 100円
レンジ幅 : 99円~101円で推移後、100円で終了
トラップ幅 : 1円刻み
利確幅 : 1円(1,000円)
決済回数 : 5回
残ったポジション : 101円、100円(各1,000ドル)
⇒ 決済益は5000円、評価損益は1,000円
⇒ 4,000円の利益
決済回数 : 5回
残ったポジション : 100円、99円(各1,000ドル)
⇒ 決済益は5000円、評価損益は1,000円
⇒ 4,000円の利益
買いトラリピ・売りトラリピともに4,000円の利益になりました。
これに対して両建てトラリピは買いと売りの両方のトレードを行うため、4,000+4,000=8,000円の利益(決済益10,000円、評価損益2,000円)となり、買いまたは売り片方のみのトラリピと比べると2倍の利益を上げることができます。
このように両建てトラリピは、買いまたは売り片方のみのトラリピよりもずっと効率よく利益を上げていくことができます。
すごくお得な投資法だとおもいませんか?
両建てトラリピのメリット・デメリット
両建てトラリピの仕組みがわかったところで、それぞれのメリットとデメリットについてご説明します。
両建てトラリピはいいところばかりではなくて、やっぱりデメリットもあるんですよ。
3つのメリット
利益が2倍
やはり一番のメリットは先ほどご紹介した通り、通常のトラリピと比較して利益が2倍になることですね。
トラリピは長期運用でコツコツと増やしていく運用方法ですが、両建てトラリピはそれよりもずっと速いペースで利益を上げていってくれます。
必要証拠金が片方だけでよい
両建てのもう一つの大きなメリットは『両建てでも証拠金は2倍かからない』点です。
売りと買いの両方のポジションを持つので、証拠金も2倍かかるのではないかと思ってしまいがちですが、両建ての場合に必要な証拠金は売りと買いのどちらか多いほうだけでよいのです。
これは『トラリピ』のマネースクエア社が両建てMAX方式という方法をとっているためで、同じ証拠金で2倍のポジションを持つことができ、資金効率をぐっと上げることができます。
相場が上昇しても下落しても利益になる
長期にわたり運用していくと、どんどん上昇していく時期もあれば、下落していく時期もあります。
例えば買いトラリピだけだと下落時は含み損だけがどんどん膨らんでいきますが、両建てならばその間も利益を上げていってくれます。
両建てトラリピは設定したレンジ内であれば、いつでも安定して利益を上げ続けてくれます。
3つのデメリット
マイナススワップが発生する
両建てでは買いと売りの両方のポジションを同時に持つため、それぞれのプラススワップとマイナススワップがつきます。
買いポジションと売りポジションの割合はその時点でのレートによって変わりますが、長期的にはそれぞれを保持する期間は半々に近づいていきます。
プラススワップとマイナススワップが同額であれば問題はないのですが、残念ながらほぼすべての証券会社でマイナススワップのほうが大きいことから、両建てではスワップポイントはマイナスになる可能性が高くなります。
マイナススワップが多いと持っているだけで少しずつ資産が減っていくので、特に長期投資では出来れば避けたいところです。
ただ、実際にはトラリピによる利益のほうが圧倒的に大きいため、ほとんど問題にはならないと考えています。
買いと売りの両方でロスカットの危険がある
トラリピの運用を失敗するケースはたった一つ、想定レンジを外れてロスカットされたときです。
通常のトラリピの場合、例えば買いトラリピでは想定レンジを下に抜けるとロスカットされますが、想定レンジを上に抜けた時は注文がなくなるだけで損失はなく、ロスカットのリスクは下方向のみとなります。
一方、両建ての場合は買い注文と売り注文の両方があるため、想定レンジを上に抜けても下に抜けても両方にロスカットのリスクがあります。
つまり、両建てトラリピはレンジ設定をする際にはレンジの下限と上限の両方を慎重に設定する必要があるということです。
これについては、トラリピは本来ロスカットされないようにしっかりとリスク管理しなければ運用できないものなので、それが上下の両方になったとしても大きな問題ではないと考えています。
トラリピ運用は安全第一ですね。
常に含み損を抱え、出口戦略が難しい
両建てでは買いポジションか売りポジションの両方をもっているため、必ず含み損を抱えた状態ですので、運用終了時には損切りをする必要があります。
これについては、そもそもトラリピは含み損ありきのトレード方法で、両建てでなくてもよほどタイミングが良くなければ損切りせずに終わることは難しいので、それまでの決済利益が損切り額を上回っていれば良しとすればよいのかなと思います。
メリット・デメリットのまとめ
両建てのメリット
■ 利益が通常トラリピの2倍
■ 証拠金が片方だけでよい
■ 上昇局面・下落局面にかかわらず安定して利益が得られる
両建てのデメリット
■ スワップがマイナスになる ⇒ トラリピの利益が上回ればOK
■ レンジの上下両方でロスカットの危険がある ⇒ 安全なレンジ設定を!
■ 出口戦略が難しい ⇒ 利益が損切り額を上回っていればOK
このように、両建てトラリピにはメリット・デメリット両方がありますが、デメリットをしっかりと理解し、正しく運用すれば大きく利益を伸ばすことができる運用方法だと思います。
両建てトラリピの戦略
さて、ここからは両建てトラリピを運用していくための具体的な戦略について考えていきます。
両建てトラリピは『買いトラリピ』と『売りトラリピ』の2つの組み合わせでできています。
この2つのトラリピはそれぞれレンジと数量を設定することができます。つまり、両建てトラリピでは必ずしもすべてのレンジを両建てにする必要はないというわけです。
これをうまく使うことで、両建てトラリピはリスクとリターンのコントロールを行うことができ、戦略の幅をぐっと広げることが可能になります。
両建てレンジを変えた3つのパターン
通常の両建て(すべて両建て)
買いトラリピと売りトラリピの両方を全く同じレンジに仕掛ける方法です。
すべての範囲に対して通常トラリピの2倍の利益を得ることができますが、安全に幅広く仕掛けるためにはもっとも証拠金が必要となります。
買いと売りのレンジをずらす(一部両建て)
買いトラリピと売りトラリピのレンジをずらし、高値でのロングポジション・安値でのショートポジションを建てない方法です。
買いトラリピと売りトラリピが重なるレンジ(コアレンジ)では通常の2倍の利益を得られ、またレンジを外れた際の損失も減らすことができます。
コアレンジをどこに設定するかがポイントになるトレード方法です。
さらにずらして売りと買いのレンジを分ける(ハーフ&ハーフ)
厳密には両建てではないのですが、買いトラリピと売りトラリピのレンジを完全に分ける方法で、マネースクエア社ではハーフ&ハーフと呼んでいます。
利益は通常のトラリピと同じペースになりますが、必要な証拠金を抑え利益率を大幅に向上させることができます。
また、買いと売りの境目で含み損が最も少なくなるため、他の両建てと比較して出口戦略が立てやすいというメリットもあります。
両建てレンジ変更のまとめ
これらの3つの方法についてまとめます。
利益 : すべて両建て > 一部両建て > ハーフ&ハーフ
必要な証拠金 : ハーフ&ハーフ < 一部両建て < すべて両建て
このように、すべて両建ての場合は利益が大きい代わりに必要な証拠金も大きく、逆にハーフ&ハーフは利益が少ない代わりに証拠金が少ない。一部両建てはその中間、ということになります。
ここで、「ハーフ&ハーフは必要証拠金が少ないのだから、もっとトラップ数を増やせば利益は上がるのでは?」と思われるでしょう。
実はその通りなのです。結局、これらの3つの方法は証拠金が同じ条件だった場合には利益も同じになってしまいます。
では、本当に3つの方法に違いはないのでしょうか?
コアレンジを読めれば一部両建てが最強
下の図のように、両建てレンジで推移する期間を長くすることができれば、最も効率よく利益を上げることが可能となります。
つまり、コアレンジを読むことができるか否かで最も効率のよい戦略が決まります。
コアレンジを読むことができれば、その範囲だけを両建てにすれば証拠金も抑えられ、利益も通常のトラリピよりも大幅に増加させることができます。
一方、コアレンジはわからない、またはそもそも予想しないのであれば、すべて両建てまたはハーフ&ハーフとなります。
この場合、出口戦略が容易なハーフ&ハーフがおすすめですね。
コアレンジを読むことができる場合 ⇒ 一部両建て
コアレンジはわからない場合 ⇒ ハーフ&ハーフ
まとめ
いかがでしたでしょうか?
両建てトラリピは通常のトラリピよりも利益率が高く、短期間で資金を増やすことができる魅力的な投資方法です。
通常のトラリピと比べて気を付けなければいけないポイントもありますが、トラリピの基本を押さえていればそれほど難しくはないと思います。
通常のトラリピでは物足りなくなってきた方、もう少し積極的な運用をしてみたい方にはぜひおすすめしたい投資方法です!
こちらの記事では私が運用している両建てトラリピの設定や実績などを公開しています。
両建てトラリピの運用がどんな感じかを随時更新していますので、是非参考にしてください!
読んでいただいてありがとうございます!
もったでした。
では。また~
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